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慢性じんましん  ~東洋医学で治したい~

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最近外来診療において慢性蕁麻疹の患者さんが増えている気がします。

 

そういえば僕も小さい頃は寒冷蕁麻疹に悩んでいました。

 

冬になると蕁麻疹が出て、秋でも山にハイキングに出かけるときはスキー用のフェイスマスクをして出かけていました。

小さい銀行強盗みたいな見た目ですね。格好悪くて恥ずかしかった。

それでも目のあいてるところから痒くなって辛かったのを覚えています。

 

夏はプールに入ると蕁麻疹。

もしあの時、漢方を知っていたらなと。このブログを書いていてよく思うようになりました。

それだけ色んな症状に悩まされていた少年時代だったのです。

 

皮膚科学会が発行している慢性蕁麻疹のガイドラインにはこう書いてあります。

「夕方から夜間にかけて症状が出現,悪化するものが多く,自己抗体が検出されることがある。

しかし,基本的に病態の全体像を説明し得る原因は特定不能で,病悩期間は数カ月から数年に亘ることも多い」

つまり原因が分からないのでなかなか治りづらい難治性の疾患にあたります。

 

私は皮膚科専門医ではありませんので

西洋医学的な治療方法は一般的なものしか存じ上げませんが。抗アレルギー剤の投与とステロイドを初めとする外用薬です。

ゾレアなどの生物学的製剤を使っておられる患者様も来院されます。

ただ対症療法と原因の除去・回避が中心になっております。

 

そもそも蕁麻疹の機序は皮膚科学会のサイトを見ると

蕁麻疹の本質は、皮膚の中の小さな血管が一時的に膨らみ(このため皮膚の表面は赤く見えます)、血液の中の血漿と呼ばれる成分(血液から白血球、赤血球などの細胞成分を除いた液体)が周囲に滲み出た状態(このために皮膚の一部が盛りあがります)にあります。皮膚の血管の周りには、マスト細胞と呼ばれる、顆粒がいっぱいに詰まった細胞がちらばっていて、この細胞が何らかの理由で顆粒を放出すると、血管がその成分に反応して蕁麻疹を生じます。顆粒の中に含まれる主たる作用物質はヒスタミンと呼ばれるもので、皮膚の血管に働くと血管を拡張し、血漿成分を血管の外に漏れ出やすくします。またヒスタミンは痒み神経を刺激し、そのため蕁麻疹では痒みを伴います。

長々と書いてありますが、つまり血管が拡がったことで痒み物質が漏れ出します。これが機序です。

 

西洋医学的な機序からも当院での治療は

この血管の拡張を抑えることがまずメインになります。

そこに痒みを取る生薬を加えてあげると蕁麻疹はとりあえず抑えられます。

 

ほとんどこれで落ち着くのですが

大切な事があります。

じんましんが出やすい体質はこれでは治らないのです。

 

では蕁麻疹が出やすい体質となると話が長くなりますので

結論からお話しすると

胃腸からの食べ物の消化吸収、水分の消化吸収を良くすると蕁麻疹は出にくい体質になります。

これは他のアレルギー疾患でも言えることです。

 

さらに現在当院に来られる患者さんで多いのは

①原因は分からないけどよく蕁麻疹が出る

②寒冷蕁麻疹

③ストレス性蕁麻疹

 

①の患者さんは大体これで落ち着かれます

あとは②と③の患者さんです。

②も病態から考えると落ち着く事がほとんどです。子供の頃の僕にあげたいです。

 

一番厄介なのが③の患者さんです

これが長く悩んでいた病態でしたが何とか改善に持っていける事が増えました。

実はご本人は気づいておられないことがほとんどなのですが。。。

 

考えた機序はこうでした

勉強・仕事を学校や会社で頑張る⇒交感神経が優位な状態

家に帰ってほっとすると蕁麻疹が出る⇒副交感神経優位な状態

この落差が大きい人によく蕁麻疹が出ることに気づきました。

 

それからは交感神経の落差を無くすように処方を行う事で、蕁麻疹の出る頻度が激減する方が増えました。

もちろんストレス性と書いているように、ストレス要因が大きすぎる人は完全に寛解まで持ち込むのは至難なので

薬の種類、飲み方を変えることで日常生活に支障がないようにします。

 

僕には身近でとっても不便だった蕁麻疹

西洋医学的な治療も非常に役に立つし、とりあえず症状を取る為に併用する事がありますが

漢方治療もお勧めです。

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